こんにゃくが黒い理由を説明できますか?
スーパーで売っているこんにゃくといえば、
多くの人が思い浮かべるのは――
灰色で、黒いつぶつぶが入ったものではないでしょうか。
あのつぶつぶ、
「製造途中で何かが混ざったもの」
「こんにゃく芋の皮の名残」
そんなふうに思っている人も多いと思います。
実際、昔はその通りでした。
生のこんにゃく芋を皮ごとすり潰していたため、
黒いつぶつぶが自然に混ざっていたのです。
ところが江戸時代には、
白くてつぶつぶのないこんにゃくを作る技術がすでに確立していました。
にもかかわらず、現代のこんにゃくはどうでしょう。
わざわざ
こんにゃく粉に「ひじき」などの海藻粉末を混ぜ、
昔の生芋こんにゃくに似せて“つぶつぶ”を再現しています。
味は変わらない。
手間は増える。
合理的とは言えません。
それでも、そうせざるを得ない理由はひとつ。
白いこんにゃくは、売れなかったから。
「こんにゃくとは、こういうものだ」という
私たちのイメージ=思い込みが、
現代の製造方法すら縛っているのです。
ローストビーフの端を切り落とす理由
こんな話もあります。
ある家庭では、
クリスマスになると必ずローストビーフを作ります。
奥さんも、そのお母さんも、
オーブンに入れる前に必ず両端を切り落とす。
毎年、当たり前のように。
ある年、夫が理由を尋ねました。
「どうして、いつも端を切るんですか?」
返ってきた答えは、
「母に教わったから」。
さらにその母に聞くと、
おばあさんは笑ってこう言いました。
「昔はオーブンが小さくて、
そのままじゃ入らなかったのよ」
理由はもう存在していない。
行動だけが、慣習として残っていたのです。
思い込みはあらゆる分野に潜んでいる
これは、料理の話でも、こんにゃくの話でも終わりません。
投資の思い込み
・「長期投資は必ず正しい」
・「この銘柄は昔から安全」
・「みんなが買っているから大丈夫」
市場環境が変わっても、
過去の成功体験をそのまま信仰してしまう。
それが、大きな損失につながることもあります。
ビジネスの思い込み
・なぜその価格なのか
・なぜその売り方なのか
・なぜその広告なのか
理由を聞くと、多くはこう答えます。
「業界では普通だから」
「ずっとそうしてきたから」
でも、その普通は
誰のために、いつ決まったものなのか。
成長する企業は、必ずここを疑います。
健康の思い込み
・「年齢だから仕方ない」
・「これは体質」
・「昔からこう言われている」
医学が進歩しても、
古い常識だけが生き残ることは珍しくありません。
健康情報ほど、
「一度立ち止まって考える力」が必要な分野です。
美容の思い込み
・「高い=効果がある」
・「流行っているから正解」
・「これをしないと老ける」
不安を刺激されるほど、
人は思考停止しやすくなります。
その結果、
自分に合わないケアを続けてしまうことも。
法律・ルールの思い込み
・「それは違法だと思っていた」
・「みんなそう言っている」
・「昔からそうだから」
実は、
勘違いされたまま定着しているルールは驚くほど多い。
知らないことで、
不利益を受けるのはいつも個人です。
本当に怖いのは「間違い」ではない
人は誰でも間違えます。
思い込むこともあります。
本当に怖いのは、
「なぜそうしているのか」を考えなくなること。
理由を知らないまま真似をし、
次の人にそれを渡していく。
それが積み重なると、
誰も疑わない「常識」になります。
でもその常識は、
もう役目を終えているかもしれません。